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【ネタバレ】デススターに常にセキュリティホールがある理由【ローグワン/スターウォーズストーリー】

※ネタバレあります

理由が分かった『デススターのセキュリティ問題』

宇宙最強の兵器であるにも関わらず、毎回1発のプロトン魚雷とかで破壊されてしまうという『デススターのセキュリティ問題』に、実はちゃんと理由があったという謎解き編(笑)

40年に渡って語り継がれた確固たる世界観のあるところで、サイドストーリーを語るのは楽しいよね。

言ってみれば、ガンダム世界における『ルウム戦役』で、『 MS-06R2』に乗ったジョニーライデンが活躍するとか、 MS-06Rに乗った黒い三連星がコロニー落としするとか、そういう話だから盛り上がらないわけはない(笑)

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小学校4年生の時に京都・三条のスカラ座で最初のオリジナル・スターウォーズを見て、帝国の逆襲を見て中学に入ったら学校の近くにボークスがあって、そこに入り浸って、天井から吊るされていたMPCのプラモデルの数々を見て感銘を受けて、当時のボーククス・レイルランド店(ここは鉄道模型が中心だった)の店長だったイクさん(生島毅彦さん……後にカレージキットの原型師になりFFSのLEDミラージュやヤクトミラージュを作った人)に、模型の作り方を習って……と、いわば、オリジナルのスターウォーズで、人生に大きな影響を受けた私としては、面白くないわけがない。

しかし、興味深いのはスターウォーズ本編9部作とは明らかに作風が違って、自由にやっているところが面白い。

これまでのスターウォーズにない現実のモチーフ

一番違和感を感じるのは、スターウォーズの世界観って常に何をモチーフにもしない(基本的に)オリジナル……なハズなのに、いろいろ現実にモチーフがあるように感じるころだろう。

冒頭のキャシアンが登場する街はまるでブレードランナーの世界観のアジアの街だし(誰かが「ふたつで十分ですよ」って言ってないか心配になるほど(笑))、ジェダの街は中部アジアから中近東にありそうだし(昔行った、インドのジャイサルメールに似てる)、帝国に対抗する反乱軍の戦術は、まるでイスラム過激派のテロリズムのようだ。

終盤のスカリフでの戦いは、アメリカ人にとって太平洋戦争のパプアニューギニアなど南洋の戦域を早期させないのだろうか? そう考えると、デススターの『テスト』で消滅するジェダはヒロシマなのかもしれないし、シタデルはビキニ環礁なのかも……と考えるのはうがった見方に過ぎるだろうか?

もっとも、そこに政治的意図があるとは別に思わない。ただ、サイドストーリーだからこそ、いろいろそういうことに関して無邪気でいられるんだろうなぁと思う。

ガンダムのサイドストーリーがリアルな戦争っぽいものを(政治的深い考えなしに)書こうとしたのと同じように。

なにしろ、その絵図を当てはめると、帝国はアメリカだし、反乱軍はアジア人だったり、イスラム系の人たちだったりすることになってしまうし……。そのへんって、アメリカ人ってどう思ってるんだろう?

『さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士達』のように

ストーリーは、これまでのスターウォーズと違って、カタストロフに向う。

K-2SOはヤマトの真田さんのようにゲートを守ってこと切れるし、チアルートや、ベイスも、『さら宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち』のように、目的を果たして戦場に倒れ、Xウィング、Yウィングのパイロットたちもブラックタイガー隊かっていうような特攻精神にあふれた戦いっぷりを見せる。ジャパニメーションの影響受けすぎじゃないのか(笑)そして、ジンとキャシアンのラストシーンも、そういえばヤマトで白色すい星の中身の超巨大戦艦に特攻する古代進と森雪みたいねぇ……。

考えてみれば、誰かが生き残ってしまうと、エピソード4以下に登場する必要性が出てくるから、みなさん死んでいただかないといけないわけですが……ちょっと、そのへん物語としてはなんとかならないのかとは思う。救いがないじゃない。

ラストで、圧倒的に強い切り込み隊長として登場するダースべーダー(なぜ、責任者が切り込み隊長なんだw)にはカタルシスを感じるし、CG合成?と思わざるを得ないヤング・キャリー・フィッシャー……もといレイア姫の登場、そして40年前に見たエピソード4の冒頭に繋がる……というところには、わかってはいたけど感動を覚えざるを得ない(笑)

というわけで、マニア萌えの傑作。一般の人が見て面白いかというとよく分からない。旧作の繋がりがよくわかってない娘とかが見たら、よくわかんないっていうと思うけど。

世界はめぐる【ホビット 決戦のゆくえ】

『ホビット』三部作は、大ヒットした映画『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚。『決戦のゆくえ』はその最終話で、おそらくはこのシリーズの最後の映画。

そもそも、高校時代に原作のJ.R.R.トールキン『指輪物語』を読んで、ファンタジーの世界の扉を開いた私としては、思い入れの深い物語。今の文庫本からは考えられないほど、細かい文字でギッシリと書かれた、全六巻(英語版は三巻だが、それぞれ上下2分冊になっている)の小説だ。16歳で始めて海外旅行に出て、ブラジルに行った時に旅の途上で読んだので、異国の情景と、異界の情景が重なり合って、とても味わい深かったのを覚えている。
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