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サンウルブズvsチーフス戦、秩父宮観戦記

素敵な席で写真が撮りやすかった(笑)

初めて、年パスの指定を取ったのですが、なんと前から2列目ですごく写真が撮りやすかったです。そんなわけで、今回は個人ブログにしては写真ハイクオリティ目でお届けします(笑)

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この写真、よく見るとスタンドにリザーブの選手が座ってる。小倉とか。

お客さんの入りは1万8708人だそうで、トップリーグの試合が同日にいっぱいあった割にはよく入ったと思うでも、本当は満員になって欲しかったよね!

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グランドスタンドもバックスタンドもだいたいいっぱいだけど、コーナー部分はもうちょっと空いている感じでした。

バックスタンドのあんな前の席には初めて座ったんだけど、2列目だと全体の状況はちょっと分かりにくい。その分近くに来ると、バチンと身体の当る音が聞こえて凄いけど。

これまでのサンウルブズと違う戦いぶり

試合結果はご存じの通り……。やっぱり優勝候補ともいわれるチーフスは強かったです。主力を何人か置いてきてもこれだもんなぁ……。

サンウルブズはやっぱり前戦と同じく、ディフェンスの連携がまだ出来ない。でもここは時間のかかるところなんでしょうねぇ。

ちょっとしたギャップや、連携の切れ目をマッケンジーみたいな選手にスパーンと抜かれたり、逆に中央に寄せられて、大外にロングパスされた時に、もう外のディフェンスの人数が足りなかったり。

ディフェンス詰めるには時間かかるの分かってるから、 沢木さんはアタック重視で仕上げようとしているんでしょうけど、ちょっとチーフス相手ではそうもいかない。取り切れない感はありましたよね。

ディフェンスじゃなくて、アタックも。アタック時のラックに巻き込まれる人数が多いというか、逆にチーフスはそこに人数を割いていないから、スタンドで見てると常にチーフスの方が人数が多いように見える。日本代表はここをリロードの早さでカバーしようとしていたんだろうけど、急ごしらえのチームじゃそこまでなかなかできないんだろうなぁ。

でも、悪いことばっかりじゃない。

スクラム、ラインナウトが安定して取れるというのは過去のサンウルブズ(や日本代表)にはないことで、これだけで、試合の組み立ては大きく違うと思う。

前戦でもあったように、モールから押し切ってのトライもありました。これって過去のサンウルブズではあまりなかったパターン。

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短期間で、こんなに一体感のあるモールが組めるんですね〜! 谷田部がすごい顔してますが、普通の人間があの場所にいるとどうなるんでしょう(汗)

特にラインナウト! これまでのサンウルブズはラインナウト取れないから、なるべくタッチに出さないようにしないといけなかったけど、マイキーことマイケル・ストーバーク選手(グじゃなくてクだって、近鉄ライナーズオフィシャルTwitterのアカウントの方に教えていただきました(笑))2m04cmの加入は大きい。

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あと、バックスではベン・テオ良かったですよね! 現代CTBに必要とされるフィジカルがあって、ボールを持ったらかならず突破してました。素晴しい。

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フルバックのダーガヴィルも突破を図るんだけど、彼はもうちょっと蹴ったり、パスしたりも織り交ぜてもいいんじゃないかと思ったけど。もしかしたら、蹴ってもチェイスできる人がいないとかいう問題なのかもしれないけど。

学生動員と思いきや、大活躍の齋藤、フィフィタ

あと、なんといっても日本の学生選手が頑張っていた。

最初に話を聞いた時には「学生まで引っ張らないとメンバーがいないのか……」と思ったけど、なんのなんの。スーパーラグビーで全然物怖じせずに戦ってる姿には驚かされたし、逆に日本の大学ラグビーって本当にレベル高いんだなって思いました。

サンウルブズを経験した彼らは間違いなくRWC2023に来るよね〜とワクワクしました。ちなみに、RWC2019の31人のうちにサンウルブズ経験者は28人。サンウルブズがなくなったら、世界トップレベルの経験をどこで積むというのだろう……。

これを経験して、とりわけ、齋藤と中野に関してはこれを経験して、そのレベルを早稲田のチームメイトに伝えられるというのは大きそう。今年末の早稲田はきっと強くなる!

齋藤選手は本当、攻撃の起点として、活発にやってた。すごい!

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齋藤は外人選手にもバンバン指示出してたし、あの物怖じしない感じはすごいな……。テンポも速いしロングパスも投げられる。田中や流を見慣れた感じから言うと、ちょっと手数が少ない感じもするけど、まぁ、そこは経験値でしょう。

齋藤で最高なのは、その全力っぷりというか、必死さですよね。前戦も含めて「アカン! 抜かれた!」と思った時に、信じられないほど前から戻ってきた小さい齋藤がタックルして窮地を救う場面が何度もあった。

あの頑張りはもう泣ける。レベルズ戦でも、一連の流れで3回タックルに行ってたりしてるし、今回もスタジアムで見てると、一番頑張って戻ってる。抜かれた時に戻るのが一番しんどいから、それを全力でやれる齋藤は本当にすごい。

あと、驚くのはフィフィタの突破力。

学生……のはずなのに、完全にスーパーラグビークラス。そりゃ、こんなんいたら、関西大学ラグビーだと圧倒されるわ。

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レベルズ戦でもそうだったし、チーフス戦でもすごかった。完全にフォワード第三列な感じのフィジカル。なんでウィングやねんと言いたい(笑)

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反対側のウィングのタウタラタシ・タシもフィジカルのあるウイングだし、ここは福岡、松島、中鶴、レメキ、マシレワのような圧倒的スピードのあるウィングも一枚欲しいところ。サンウルブズがやっぱりスピードで戦うのなら、大外で一発抜けたらゴールラインまで駆け抜けられる走力のあるウィングは欲しいよねぇ。

そうそう、余談だけど、エイプリルからのキックパス撮り損なった時、フィフィタ、そうとう悔しそうで……がっくり肩を落として悔やんでて、観客席から「フィフィタ気持ち落とすな!」「お前やったら、次は絶対獲れる!」って声が上がってたのは胸熱でした。

活躍したジャバやジャレド

あとは心強かったのが、我らがジャバ・ブレグバゼ。献身的なプレーでフォワードを前進させてくれた。

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そして、『快速プロップ』として早くも名を馳せているジャレド・アダムス! 今回も走ってました!

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逆にちょっと精彩を欠いたかな……と思うのが、森谷。キャプテンとして、悩む部分があるのかなぁ。頑張って欲しい。

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というわけで、セットプレーが安定してはいるけど、ディフェンスに課題。両翼に超高速の香車が欲しいサンウルブズ。NZのチーフスには負けたけど、豪州勢には案外歯が立つかもしれない。海外転戦といっても、むしろ向こうの方が本国な選手も多いし。来週からのゲームも楽しみです!

なぜ、小倉順平はNTTコムを捨ててまで、サンウルブズに加わったのか?

そして、実は何より嬉しかったのが、試合前の練習で小倉順平選手の姿を見られたこと。

NTTコムで正スタンドオフの立ち位置にある彼が、なぜそれを投げ打ってまで、サンウルブズに参戦するのか?

トップリーグより、スーパーラグビーのシーズンの方が少し長いので、もしやシーズン終盤、危地に陥ったサンウルブズを助けるために参戦するトップリーガーがいるのではないかと思ったけれど。まさか、こんなタイミングでトップリーグの所属チームを投げ打ってサンウルブズに参戦するとは。

RWC2019に招集されず、小倉的にも期するところがあったのだろうか? 2023年、田村優がまだ出るかどうかは分からないが、同世代のライバルといえば、筆頭はおそらく松田力也。続いて、田村熙、山沢拓也などがいる。さらにヘイデン・パーカーも日本代表資格を得られるはずだ。ここから一歩抜きんでるのは尋常はことでは不可能だ。トップリーグで戦っている場合ではないと、小倉が決意を固めたのは分からなくはない。

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ともあれ、彼が加われば、ガース・エイプリルの一枚看板ではあなくなる。攻撃に多彩さも増すだろう。

彼の移籍を無謀という声もあるが、来シーズンのサンウルブズがどうなるのかは、何も公開されていない。スーパーラグビーから除外するとの知らせはあったが、それだけだ。

サンウルブズを解散するとも言われていない。

だいたいにおいて、どの業界でも重要な決定事項は、水面下で議論され、根回しが行われ、予算撮りが行われ、最終的にすべてが解決されてから公開される。

サンウルブズ、スーパーラグビー除外の決定は2019年の前半に行われている。

その当時と較べると、日本の中でのラグビーの市場価値も、世界のラグビー界における日本の市場価値もまったく異なっている。

サンウルブズが本当に強くなって勝負を面白くして、ジャパンマネーがスーパーラグビーにいっぱい流れるなら、それを拒絶できるほどSANZAARも裕福ではないと思う。

大久保HCや、沢木コーチ、小倉選手にとって、勝てば道が開けるという状況なのではないだろうか? だから、彼らはあそこまで鬼気迫る戦いを繰り広げるのではないだろうか?

……いや、一ファンのただの夢想でしかないのは分かってる。

しかし、実現すれば、とてつもなく楽しい夢ではないだろうか?

(村上タクタ)